「発注書」「注文請書」はセットで理解!印紙の必要性も解説

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発注書・請書・印紙税:ビジネスの信頼性を高める契約の基本

ビジネスを始めたばかりの方や、日々の業務で発注書や請書の扱いに困ること出てきます。

単なる事務手続きではなく、トラブルを未然に防ぎ、取引の安全性を保証する「信頼の証」です。
これらの書類は、取引を円滑に進める上で非常に重要です。

今回は、「発注書」「注文請書」「印紙」という3つのキーワードをセットで理解し、あなたのビジネスをより安全でスマートなものにするためのポイントを解説します。

発注書と請書:信頼の証を交わす2つの書類

取引における「契約」は、一般的に申込み(発注)承諾(請書)の意思表示が合致した時点で成立します。このプロセスを明確に記録するのが、発注書と請書の役割です。

発注書(注文書):取引開始の「申込み」

発注書は、あなたが取引先に対し、「この内容で商品やサービスを注文します」と正式な意思を伝える書類です。 口頭でのやり取りだけでは、「言った、言わない」のトラブルになりがちですが、発注書を送ることで、取引内容(品名、数量、単価、納期など)を明確に記録できます。

  • 役割とメリット:
    • 取引内容の明確化: 品名、数量、単価、納期、支払条件などの詳細を明確に記録し、「言った、言わない」の口頭トラブルを防ぎます。
    • 認識のズレ防止: 双方の認識を最初の段階で合わせるための大切なツールです。

請書(注文請書):正式な「承諾」と契約の成立

請書は、発注書を受け取った取引先が「発注内容を確かに承諾し、その内容で業務を遂行します」と返信する書類です。

  • 役割とメリット:
    • 合意の成立証明: 請書が発注者に戻ることで、発注者と受注者の間で正式な契約が成立したことになります。
    • 義務の発生: 受注者には、請書に記載された内容通りに納品する義務が、発注者にはそれに対する対価を支払う義務が法的に発生します。

ポイント: 発注書は「依頼」の意思表示、請書は「承諾」の意思表示です。この2つの書類が揃うことで、法的に強力な「契約の証拠」が完成し、双方が安心して取引を進めることができるのです。

発注書(注文書)

発注書は、あなたが取引先に対し、「この内容で商品やサービスを注文します」と意思を伝える書類です。
口頭でのやり取りだけでは、「言った、言わない」のトラブルになりがちですが、発注書を送ることで、取引内容(品名、数量、単価、納期など)を明確に記録できます。

これは、ビジネスの最初のステップであり、双方の認識を合わせるための大切なツールです。

【基本】注文書(発注書)の書き方

 

 

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請書(注文請書)

請書は、発注書を受け取った取引先が「発注内容を確かに承諾しました」と返信する書類です。

これをもって、発注者と受注者の間で正式な合意が成立したことになります。
発注書と請書が揃うことで、取引内容の明確な記録となり、双方が安心して取引を進めることができるのです。

発注書(注文書)の【基本】構成要素

発注書は、取引内容を明確にするために以下の要素を必ず記載します。

構成要素 記載内容 留意点
書類のタイトル 発注書 または 注文書
整理番号・日付 発注書番号、発行日 管理上必須。発注の特定に役立つ。
宛名(受注者名) 相手方の会社名、担当者名など 正式名称で記載する。
発行者名(発注者名) 自社の会社名、住所、連絡先、担当者名、押印 押印は必須ではないが、商慣習として一般的。
発注内容 品名、数量、単価、小計、消費税、合計金額 軽減税率(8%)対象品目があれば明記する。
納期(納入期限) 商品やサービスの納品・完了期限 具体的かつ実現可能な日付を記載する。
納品場所 納品先住所 サービスの場合は「指定の場所にて」など。
支払条件 支払い方法、期日(例: 納品翌月末払い) 契約書などで別途定めている場合はその旨を記載。

印紙(収入印紙):課税文書と印紙税のルール

印紙(収入印紙)はなぜ必要なの?

ビジネス上の書類には「印紙(収入印紙)」が必要な場合があることを耳にしたことがあるかもしれません。
これは、「印紙税」という税金の一種で、課税対象となる書類を作成した際に納税が義務付けられています。

発注書と請書は、単体では印紙税の対象にならないのが一般的です。

しかし、この2つが揃うことで「契約の成立を証明する書類」となり、印紙税の課税対象となる可能性があります。

ビジネス上の書類には、「印紙(収入印紙)」を貼る必要がある場合があります。これは「印紙税」という国税の一種で、印紙税法に定められた「課税文書」を作成した際に納税が義務付けられています。

印紙が必要になるケース:主に「請負契約」の場合

発注書や請書が印紙税の対象となるのは、一般的に以下の条件を満たす「請負契約」に関する書類を書面(紙)で交わす場合です。

契約の種類 該当する取引の例 印紙税の要否
請負契約 システム開発、ウェブ制作、建築・工事、デザイン制作など (「仕事の完成」を目的とするもの) 必要(第2号文書:請負に関する契約書に該当)
売買契約 既製品の物品の販売、商品の仕入れなど (「商品の引き渡し」を目的とするもの)

印紙が必要になる条件

発注書と請書のやり取りで印紙が必要になるのは、主に以下の条件を満たす場合です。

  • 取引金額が1万円以上であること
  • 書面で発注書と請書の両方を交わすこと

特に、請負契約に関する注文請書は「契約書」と見なされるため、契約金額が1万円以上の場合に印紙の貼付が必要となります。(1万円未満は非課税)

 重要:印紙を貼るのは「請書」側が多い

  • 発注書(注文書)は基本的に申込みの文書であり、契約の成立を証明しないため、印紙は不要です。
  • 請書(注文請書)は、契約の承諾を示すため、印紙税の課税対象となります。

印紙税額一覧(請負契約の注文請書の場合)

契約金額(請負契約の場合) 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上 100万円以下 200円
100万円超 200万円以下 400円
200万円超 300万円以下 1,000円
300万円超 500万円以下 2,000円
500万円超 1,000万円以下 10,000円
契約金額の記載がないもの 200円

税抜金額で判定 印紙税の課税対象となる金額は、請求書に税抜き価格と消費税額が明記されていれば、原則として税抜き価格で判断します。

電子化のメリット:印紙代と手間を削減!

現代のビジネスでは、これらの書類をPDF化してメールで送付したり、クラウドサービス上でやり取りしたりすることが一般的になりました。

このような電子的な方法で発注書や請書を交わす場合、文書」として扱われないため、印紙税の課税対象にはなりません。

これにより、印紙代というコストを削減できるだけでなく、印刷や郵送の手間もなくなり、業務効率が大幅に向上します。

現代のビジネスでは、書類のやり取りの主流は紙からデジタルへと移行しています。

電子的な方法で発注書や請書を交わす場合、「文書」として扱われないため、印紙税の課税対象にはなりません。

交付方法 印紙税の要否 メリット
紙の書類 必要(請負契約で1万円以上の場合) 従来の商習慣への安心感
PDFなど電子データ 不要 印紙税のコスト削減、印刷・郵送の手間削減、業務効率向上

注文書と請書の役割まとめ

  • 注文書(発注書): これはあなたが「こんな商品やサービスが欲しい」という意思表示です。
    具体的な品目、数量、単価、納期などの詳細を記載し、相手に正式な依頼をします。
    野球でいうと、「ボールを投げますよ」というサインに当たります。
  • 請書(注文請書): これは相手が「注文書の内容を確かに承知しました」という合意の意思表示です。
    注文書の内容に問題がないことを確認した上で返送されるため、双方の合意を証明する書類となります。
    野球でいうと、投げられたボールを「確かに受け止めました」というキャッチの合図です。

セットで使うことのメリットまとめ

この2つの書類が揃うことで、以下のようなメリットが生まれます。

  • 契約の証拠になる 注文書と請書が両方あることで、法的に「契約が成立した」という強力な証拠になります。どちらか一方だけでは、相手が「知らなかった」「聞いていない」と主張する可能性が残ります。
  • 認識のズレを防ぐ 注文書の内容を請書で確認してもらうことで、数量や金額、納期といった重要な情報に誤りがないかを最終的に確認できます。

つまり、注文書は「依頼」、請書は「承諾」の役割をそれぞれ果たしています。

 

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