なぜ請求書の封筒は重要なのか?
請求書は、金銭のやり取りに関する最も重要なビジネス文書です。その請求書を入れる封筒は、単なる入れ物ではありません。それは会社の顔であり、取引先へのビジネスマナーを示す最初の機会となります。
請求書は速やかに、正確に、そして丁寧な印象で取引先に届けるために、基本ルールを押さえておきましょう。
封筒選びの基本ルール:サイズと色
色:茶封筒はNG!白か薄い青を選ぶ
請求書のような重要書類は、白や薄い青の封筒を使用するのがマナーです。
- 茶封筒を避ける理由: 茶封筒は社内文書や比較的カジュアルな郵便物に使用されることが多く、重要度が低いと判断されたり、他の郵便物に埋もれてしまったりするリスクがあります。
- 透け対策: 請求金額などの機密情報が透けて見えないよう、透け防止加工が施された封筒を選んだり、請求書の裏に目隠しとして色のついた紙(台紙)を一緒に入れたりする工夫も有効です。
サイズ:定形郵便の「長形3号」が基本
A4サイズの書類を三つ折りにして入れることができる長形3号(長3)の封筒が、請求書送付の標準サイズです。定形郵便物として送れるため、郵送コストも抑えられます。
インボイス時代の封筒・中身の注意点
2023年10月にスタートしたインボイス制度により、請求書は単なる支払い依頼書ではなく、仕入税額控除を受けるための公的な証明書としての側面が強まりました。そのため、封入前のチェックが以前にも増して重要になっています。
インボイス制度が求める最重要項目
適格請求書(インボイス)として機能するためには、請求書本文に以下の項目の記載が義務付けられています。
- 適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁の法人番号または個人番号)
- 適用税率と税率ごとの合計金額
封入前に、自社の登録番号が請求書に正しく記載されているか、必ず確認しましょう。記載漏れがあると、取引先は仕入税額控除を受けられず、再発行を依頼されることになります。
「インボイス在中」表記の必要性
従来通り「請求書在中」と記載すれば問題ありません。しかし、重要性をより強調したい場合や、取引先に「これは適格請求書である」ことを明確に伝えたい場合は、「インボイス在中」や「適格請求書在中」と記載する企業も増えています。
- ポイント1:宛名(会社名・部署名)
- ポイント2:担当者名と敬称
- ポイント3:郵送物の中身を明記: 「請求書在中」または「インボイス在中」の記載方法。
- ポイント4:切手(料金不足の回避)
- ポイント5:住所
【裏面】差出人の書き方:マナーある記載方法(既存)
裏面は、返送や問い合わせの際に必要な情報であり、マナーを守って記載する必要があります。
- 差出人(自社名・住所): 封筒の継ぎ目(中央)を境に、左下に記載します。
- 郵便番号: 住所の上に正確に記載します。
- 封締め:「〆」または「封」
- 封筒の継ぎ目(フタと本体が重なる部分)に、「〆」または「封」という文字を書きましょう。これは「確かに封をしました」「途中で開封されていません」という証明です。これを書くのが正式なビジネスマナーです。
【郵送・管理】取引停止を避ける!請求書を出す上での重要マナー
封筒の書き方以外にも、請求書を送付する上で会社の信用を左右するマナーがあります。
マナー1:送付期限の厳守(いつ送るべきか)
請求書は、取引先の支払いサイト(締め日、支払日)に合わせて、定められた期日までに確実に到着させることが重要です。期日に遅れると、経理処理が間に合わず支払いが遅延し、取引先に迷惑をかけることになります。
- 締め日から余裕をもって、相手側の経理担当者の手を煩わせないように速やかに投函しましょう。
マナー2:封入前のトリプルチェックを徹底
請求書は金額が関わるため、ミスが許されません。以下の重要事項を封入前にトリプルチェックする習慣をつけましょう。
- 金額: 納品書や注文書と照らし合わせ、合計金額、消費税額に間違いがないか。
- 振込先: 記載されている銀行名、口座番号、名義に間違いがないか。
- インボイス登録番号: 自社の適格請求書発行事業者の登録番号が正しく記載されているか。
マナー3:送付状(添え状)は必ず同封する
- 送付状の役割:挨拶と何が入っているかを伝えます。
- 必須記載事項:日付、宛名、差出人、件名、記書き(同封物一覧)。
マナー4:郵送方法の注意(信書は宅配便NG!)
請求書は法律上「信書」に該当します。この信書を送付できるのは、郵便法に基づき日本郵便に限定されています。
- 必ず郵便(定形郵便、レターパック、ゆうパックなど)を利用します。
- 宅配便やメール便(ネコポスなど)で請求書のみを送付すると、郵便法違反となる可能性があるため、絶対に避けます。
7. まとめ
インボイス制度の導入により、請求書は以前にも増して正確性と確実性が求められるようになりました。
- 封筒: 白封筒を使用し、「請求書在中」(または「インボイス在中」)を赤字で明記。
- 中身: インボイス登録番号の記載漏れがないか、必ず確認。
- マナー: 料金不足や期限遅れは信用問題に直結するため、郵便局窓口での投函と期日厳守を徹底する。
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