請求書を郵送したりメールで送ったりする際、「一番上に付ける『鑑(かがみ)』って本当に必要なの?」と疑問に思ったことはありませんか?
特にインボイス制度が始まってから、書類の扱いがより厳格になり、マナーに不安を感じている方も多いはずです。
結論から言うと、請求書の鑑には「法律上の義務」はありませんが、「ビジネスマナー」と「実務のミス防止」という2つの観点から非常に重要です。
本記事では、インボイス制度に対応した最新の書き方や、そのまま使える無料テンプレート、メール送付時のマナーについて詳しく解説します。

請求書の「鑑(かがみ)」とは?なぜ送付状が必要なのか
ビジネスにおいて「鑑(かがみ)」とは、複数の書類をまとめる際の一番上の表紙(送付状・添え状)を指します。
なぜ請求書単体ではなく、鑑が必要なのでしょうか?
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「誰が・誰に・何を・何枚」送ったかを明確にするため 受け取った相手が、中身を確認する際のチェックリストになります。
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誤送付や紛失を防ぐため もし中身が足りなかった場合、鑑があればすぐに気づくことができます。
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挨拶としてのマナー いきなり「お金を払ってください」という請求書だけを送りつけるのではなく、一筆添えるのが日本の商習慣としての礼儀です。
【2026年最新】インボイス制度で「鑑」の扱いはどう変わった?
インボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まってからも、基本的には鑑を付けるマナーに変わりはありません。 ただし、実務上は以下の点に注意が必要です。
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鑑自体には保存義務はない: 税務調査などでチェックされるのは「適格請求書(本体)」のみです。鑑は捨ててしまっても税務上の問題はありません。
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金額の整合性: 鑑に「ご請求金額:¥110,000」と記載する場合、必ずインボイス本体の税込合計金額と一致させてください。
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登録番号は不要: インボイスの登録番号(T+13桁)は請求書本体に記載があれば、鑑にまで書く必要はありません。

請求書鑑の正しい書き方(基本項目)
鑑に記載すべき基本項目は以下の6点です。
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送付日: 右上に記載。請求書の発行日と合わせるのが一般的です。
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宛名: 左上に会社名、部署名、役職、氏名を記載。「御中」と「様」の使い分けに注意しましょう。
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差出人情報: 右側に自社名、住所、電話番号を記載。
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件名: 「〇月分請求書の送付について」と中央に大きく記載。
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挨拶文: 「拝啓」で始まり、時候の挨拶(または「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」など)を入れ、「敬具」で結びます。
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送付内容: 「記」と書き、その下に「請求書 1枚」のように内容物を明記します。
【シーン別】鑑の使い分けマナー
郵送する場合
紙で送る場合は、A4サイズの送付状を作成し、請求書の一番上に重ねます。
封筒に入れる際は、鑑が一番先に目に入るように三つ折りにするのがマナーです。
メール添付(PDF)の場合
最近はメール送付が主流です。この場合、「メールの本文」が鑑の役割を果たすため、別途PDFの送付状を作る必要はありません。
ただし、会社独自のルールで「必ず送付状もPDF化して添付すること」と決まっている場合もあります。
【無料テンプレート】今すぐ使える例文集
送付状のテンプレート(郵送・FAX用)
令和8年2月3日 株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様
〇〇株式会社 住所:東京都〇〇区…
請求書の送付について
拝啓 貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、下記書類を同封いたしましたので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
請求書(〇月分) 1枚 以上
請求書の鑑(送付状)に関するよくある質問(QA)
読者が抱きがちな疑問をQA形式でまとめました。実務での判断に迷った際の参考にしてください。
Q1. 鑑(送付状)に社印(角印)を押印する必要はありますか?
A. 基本的には不要です。
鑑はあくまで「何を送ったか」を伝える添え状であり、証憑書類ではないためです。ただし、会社間の慣習として「すべての発行書類に押印する」と決まっている場合は、それに従っても問題ありません。重要なのは「請求書本体」への押印(または電子署名)です。
Q2. 複数の請求書を一度に送る場合、鑑は1枚でいいですか?
A. はい、1枚で大丈夫です。
鑑の「内容」や「記」の項目に、「10月分請求書 1枚」「11月分請求書 1枚」と内訳を明記しましょう。相手が封筒を開けたときに「全部で何枚の請求書が入っているか」が一目でわかるようにするのがマナーです。
Q3. メールで送る際、PDFの鑑を添付するのはマナー違反ですか?
A. マナー違反ではありませんが、必須でもありません。
最近は「メール本文=鑑」とみなすのが一般的です。別途PDFの鑑を付けると、相手がファイルを開く手間が増えるため、本文に丁寧に記載するだけで十分親切と捉えられます。ただし、相手が「印刷してそのまま保管する」タイプの場合は、PDFの鑑があると喜ばれることもあります。
Q4. 鑑に「インボイス登録番号」を記載したほうがいいですか?
A. 記載しなくて構いません。
登録番号は「適格請求書」の要件を満たすために、請求書本体に記載されていれば法的要件を満たします。鑑はあくまで添え状ですので、重複して記載する必要はありません。
Q5. 鑑を入れ忘れて請求書だけ送ってしまいました。送り直すべき?
A. 送り直す必要はありませんが、一言お詫びの連絡を入れると丁寧です。
請求書さえ正しく届いていれば、取引上の問題は発生しません。もし気になるようであれば、メールや電話で「先ほど送付した請求書に添え状を失念しておりました。失礼いたしました」と伝えておけば、信頼関係を損なうことはありません。
Q6: 鑑(送付状)も電子帳簿保存法の対象として保存が必要ですか?
A.いいえ。
鑑自体に取引金額などの重要な証憑情報が含まれていなければ、保存義務はありません。ただし、請求書本体と一体となって発行されている場合は、念のため一緒に保存しておくのが最も安全です。
まとめ:正しい鑑の添付でスムーズな取引を
請求書の鑑は、相手への配慮を示す大切な書類です。 「たかが表紙」と思わず、正しいマナーで送ることで、取引先からの信頼を積み上げることができます。
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郵送なら紙の送付状を一番上に。
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メールなら本文を丁寧に書けばOK。
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インボイス対応は請求書本体でしっかり行う

