「取引先から請書を求められたけれど、何を書けばいい?」「収入印紙は貼るべき?」とお困りではありませんか?
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請書(注文請書)は、発注に対して「承諾した」ことを証明する重要な書類です。正しく作成・管理しないと、印紙税法違反や契約トラブルを招く恐れもあります。
この記事では、請書の書き方から印紙のルール、保管期間までを5分で読める要約とともに専門家視点で解説します。後半には、実務ですぐに使える無料テンプレートも用意しました。
五分で理解!「請書」の役割
請書(注文請書)は、発注に対して「承諾した」ことを証明する重要な書類です。正しく作成しないと、印紙税法違反や契約トラブルを招く恐れもあります。
本記事では、請書の書き方から印紙の要否、保管期間までを5分で読める要約とともに徹底解説します。後半には、そのまま使える無料テンプレートも用意しました。
ビジネスの現場で「請書」の役割は非常にシンプルです。
請書とは、発注者から送られてきた「注文書(発注)」の内容を、「確かに受け付け、承諾しました」という意思を伝えるために、受注者が発行する書類です。
これこそが請書の最も重要な役割です。
契約は、発注者からの「申込み」(注文書)と、受注者からの「承諾」(請書)の意思表示が揃うことで、正式に成立します。請書は、その「承諾」の証拠となる、非常に重要なビジネス文書です。
契約成立の「証拠」になる
契約は、発注者からの「申込み(注文書)」と、受注者からの「承諾(請書)」の意思表示が揃うことで正式に成立します。請書は、その「承諾」の明確な証拠となります。
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役割: 「確かにその内容で引き受けました」という意思表示
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メリット: 納品後の「納期が違う」「金額が違う」といった言った・言わないのトラブル(水掛け論)を未然に防ぐ
【豆知識】工事請書とは? 一般的には「注文請書」と呼ばれますが、建設業などでは「工事請書」と呼称されます。役割は同じですが、業界慣習に合わせて使い分けます。
「請書」の基本:誰が、いつ、何のために発行するの?
請書を正しく理解するために、いつ、誰が、なぜ発行するのかがポイントです。
請書とは?(注文書とのセットで考える)
請書は、必ず「注文書(発注書)」とセットで使われます。
| 項目 | 詳細 |
| 発行者 | 受注者(仕事や商品・サービスを受ける側) |
| 受領者 | 発注者(仕事や商品・サービスを依頼する側) |
| 発行タイミング | 発注者から「注文書」を受け取り、その内容を確認し、承諾する意思を示す時。 |
| 種類 | 一般的には「注文請書」と呼ばれますが、建設業では「工事請書」など、取引内容に応じて名称が変わることもあります。 |
契約書がなくても大丈夫?
民法上、契約は口約束でも成立しますが、ビジネスでは「書面(または電子データ)」を残すのが鉄則です。請書を交わすことで、下請法などの法令遵守の観点からも健全な取引が証明されます。
法的効力は?
「契約は口約束でも成立する」という原則(民法)があるため、確かに契約自体は成立します。
しかし、請書を発行することには大きなメリットがあります。それは、「この内容(金額、納期、条件など)で両者が合意した」という明確な証拠が形として残る点です。
請書を交わすことで、納品後に「納期が違う」「金額が違う」といった「言った・言わない」の水掛け論や、後々のトラブルを防ぐことができます。
【実務の壁】「請書」と「契約書」の決定的な違い
請書と契約書は、どちらも契約成立を証明する点で似ていますが、決定的な違いがあります。
| 項目 | 請書(注文請書) | 契約書 |
| 発行形式 | 受注者が作成し、発注者に一方的に差し入れる形式が多い。 | 当事者双方が署名・捺印し、1部ずつ保管するのが一般的。 |
| 役割 | 発注書という「申込み」に対する「承諾」の意思を証明する。 | 申込みと承諾の両方の意思を、1枚の文書で証明する。 |
| 使用シーン | 少額または定型的な取引で、都度発行されることが多い。 | 高額または複雑な内容の取引や、継続的な取引の基本で使われる。 |
| 印紙税 | 内容(請負契約か売買契約か)によって、必要になる場合がある。 | 原則としてほとんどのものが課税対象となり、必要となる。 国税庁の「印紙税額一覧表」 |
【実務で迷わない】請書作成の細かな疑問を解消
請書の基本がわかったところで、現場でよく発生する「これってどうすればいい?」という4つのポイントを解説します。
① 収入印紙の正しい貼り方・消印(割印)のマナー
印紙が必要な場合、ただ貼るだけでは不十分です。「再利用の防止」を目的とした消印(割印)が必要です。
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貼る場所: 一般的に請書の左上の余白に貼り付けます。
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消印の方法: 印紙と請書の台紙にまたがるように、社印(角印)または担当者の印鑑で押印します。これにより、印紙を適切に納税したとみなされます。
② 「請負契約」か「売買契約」か?印紙が必要な判断基準
請書に印紙が必要かどうかは、取引の内容がどちらに該当するかで決まります。
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請負(印紙が必要): 「何かを完成させること」に報酬を支払う取引。
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例:システム開発、工事、特注品(オーダーメイド)の制作、デザイン業務など。
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売買(印紙が不要): 「既にある物」を購入する取引。
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例:カタログ掲載の商品、文房具、既成の備品、パッケージソフトの購入など。 迷ったときは「オーダーメイドか既製品か」で判断するとスムーズです。
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③ 郵送時のマナー(添え状・封筒の書き方)
紙の請書を郵送する場合、相手への配慮がビジネスマナーとして重要です。
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添え状(送付状): 「注文請書を同封いたしました」という旨の添え状を一案添えるのが一般的です。
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封筒の表書き: 封筒の左下に赤字で**「注文請書 在中」**と朱書きしましょう。相手企業の担当者が、届いた書類をひと目で判別できるようになります。
④ 請書は何部作る?「正本・副本」の考え方
「請書は自分たちの分も作る必要があるの?」と迷う方が多いですが、基本は**「1部作成」**です。
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発行の流れ: 受注者が1部作成し、発注者へ送付します(これが正本となります)。
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控えの保管: 受注者側は、コピーやPDFデータで「控え」を手元に保管しておきます。契約書のように双方が1部ずつ同じものを持つ必要はありません。
【書き方】初心者が押さえるべき必須項目とテンプレート
請書は、基本的に受け取った注文書の内容をそのまま転記すれば間違いありません。
必ず記載すべき6つの基本項目
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宛名: 相手の会社名・部署名・担当者名
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発行日: 請書を作成・送付した日付
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自社情報: 社名、住所、連絡先、捺印(角印)
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件名: 「注文請書」または「〇〇(案件名)に関する請書」
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取引内容: 商品名、数量、単価、合計金額(税抜・税込を明記)
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諸条件: 納期、納品方法、振込先、支払い条件
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注文請書の記入例(見本)

必ず記載すべき5つの基本項目
- 宛名: 相手の会社名・担当者名(例: 株式会社〇〇 御中 / 〇〇様)
- 発行日: 請書を作成した日付
- 自社の情報: 会社名、住所、連絡先、担当者名、社判(角印)
- 件名: 例:「注文請書」または「〇〇に関する請書」
- 取引内容:
- 注文書に記載された商品名/業務名
- 単価、数量、合計金額(消費税も明記)
- 納期・納品場所、支払条件
知っておきたい「収入印紙」のルール
請書で一番間違えやすいのが「収入印紙」の貼付です。収入印紙が必要かどうかは、「契約の種類」と「金額」で決まります。
| 条件 | 収入印紙の要否 |
| 請負契約(システム開発、工事、デザイン制作など)で契約金額が1万円以上の場合 | 必要 |
| 売買契約(既製品の物品販売など)に関する請書の場合 | 不要 |
| 契約金額が1万円未満の場合 | 不要 |
| 電子データ(PDFなど)で発行する場合 | 不要 |
注意: 印紙が必要な請書に貼るのを忘れると、過怠税が課される可能性があります。
電子発行は印紙税がかからないため、ペーパーレス化が進んでいます。
【節税テクニック】PDF送付(電子発行)なら印紙代は0円!
請書を作成する際、もっともコストと手間がかかるのが「収入印紙」です。しかし、現在のビジネスシーンでは「請書を電子化する(PDFで送る)」だけで、この印紙代を完全にゼロにすることが可能です。
なぜPDFなら印紙を貼らなくていいの?
印紙税法では、印紙税がかかるのは「課税文書を作成したとき」と定められています。国税庁の見解によれば、PDFやクラウド上で発行される電子データは、この「文書(紙の書面)」には該当しません。
つまり、メールでの送付やクラウド上での共有であれば、たとえ数億円の取引に関する請書であっても、収入印紙を貼る必要はないのです。
紙の発行と電子発行のコスト比較
1件あたりの差は小さく見えても、年間を通すと大きな経費削減に繋がります。
| 項目 | 郵送(紙の発行) | 電子発行(SpreadOffice等) |
| 収入印紙代 | 200円〜数万円 | 0円 |
| 封筒・切手代 | 約100円〜 | 0円 |
| 印刷代・手間 | インク代・封入作業が発生 | 0円(1クリック送付) |
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請書の保管期間は?
法人か個人事業主かで異なりますが、基本的には以下の期間、大切に保管する必要があります。
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法人: 7年間(欠損金がある場合は10年間)
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個人事業主: 5年間
現在は電子帳簿保存法により、電子で受け取った請書は電子データのまま保存することが義務付けられています。
よくある質問(Q&A)
Q1:注文請書を出すタイミングはいつですか?
A: 発注者から「注文書」を受け取り、その内容(金額・納期など)を確認して、引き受けることを決めた直後に発行します。遅くとも業務を開始する前、または注文書受領から数日以内に送付するのがビジネスマナーです。
Q2:請書に印紙を貼らないとどうなりますか?
A: 本来貼るべき印紙を貼らなかった場合、印紙税法違反となり、「過怠税」が課されます。過怠税は、本来の印紙代の3倍(自ら申し出た場合は1.1倍)の金額を納めなければなりません。ただし、PDFなどの電子データで送付する場合は印紙不要です。
Q3:請書(注文請書)に法的効力はありますか?
A: はい、あります。請書は、発注者の申し込みに対して受注者が「承諾した」ことを証明する証拠書類です。これにより契約が成立したとみなされ、万が一トラブルになった際も、合意した条件を証明する重要な根拠となります。
Q4:注文書があるのに、なぜ請書が必要なのですか?
A: 注文書はあくまで「依頼」であり、受注側が同意したかどうかは判別できないためです。請書を交わすことで、「依頼内容を双方が合意した」ことが明確になり、後々の「言った・言わない」のトラブルを防止できます。
まとめ
- 請書は、発注に対する「承諾」の意思を示す、重要なビジネス文書です。
- 請書と注文書がセットになることで、契約書と同じように正式な契約の証拠となります。
- 印紙税は、請負契約で1万円以上の請書に必要です。電子発行なら不要と覚えておきましょう。
請書は、取引を円滑に進めるための重要な書類です。
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