いまさら聞けない「帳票」と「証憑(しょうひょう)」の違いとは?種類と保存期間をわかりやすく解説

「帳票」と「証憑(しょうひょう)」 の違い コラム
コラム

「先輩から『これ、大事な証憑(しょうひょう)だから保管しといて』って言われたけど……帳票と何が違うの?」 「経理の書類、全部『帳票』じゃないの?」

ビジネスシーンで毎日のように飛び交う「帳票」と「証憑」という言葉。なんとなく雰囲気で使っていませんか?

実はこの2つには、実務上とても重要な明確な違いがあります。

この記事では、知っているようで知らない「帳票」と「証憑」の違いを、具体的な書類の一覧や、法律で定められた保存期間と合わせてわかりやすく解説します。

明日から迷わず書類を整理できるようになり、バックオフィス業務の基本をマスターしましょう!

帳票と証憑の決定的な違いとは?

まずは一番大切な結論からお伝えします。

  • 帳票(ちょうひょう): お金やモノの動きを「記録・報告」するための書類すべて
  • 証憑(しょうひょう): その取引が本当にあったことを「証明」するための証拠書類

帳票(ちょうひょう)=「記録」するための書類すべて

帳票とは、「帳簿(ちょうぼ)」と「伝票(でんぴょう)」の頭文字を合体させた言葉です。

会社が日々の営業活動の中で、お金やモノがどう動いたかを書き残しておく書類の総称(グループ名)を指します。社内で使われるメモ的な伝票から、公式な記録まで、ビジネスに関する書類はほぼすべて「帳票」に含まれます。

証憑(しょうひょう)=取引の「証拠」になる書類

証憑とは、帳票グループの中にある書類のうち、特に「取引が正しく行われた証拠」になるものを指します。

「確かにお金を払いました」「確かに商品を受け取りました」という事実を、社外の取引先や税務署に対して証明できる強いパワーを持った書類たちです。

💡 イメージで覚える関係性

すべての「証憑」は「帳票」の一部です。

【 帳票(大きなグループ) > 証憑(その中にある、証拠になる重要書類) 】

という関係性だと覚えると、頭の中がすっきり整理されます。

どっちがどっち?「帳票」と「証憑」の種類・具体例一覧

実務でよく使う書類を、「帳票」と「証憑」に分類して一覧表にまとめました。

書類名 帳票 証憑 どんな書類?(役割)
領収書・レシート お金を支払った・受け取った「証拠」
請求書・納品書 取引の条件や、商品が届いたことを示す「証拠」
契約書・見積書 お互いが合意した内容を示す「証拠」
総勘定元帳・仕訳帳 会社の取引を公式に記録した「帳簿」
入金伝票・出金伝票 社内でお金の動きを回覧・メモするための「伝票」

※「総勘定元帳」や「出金伝票」などは、自社で作成して記録する書類(帳票)ですが、それ単体では外部との取引の決定的な証拠にはならないため、「証憑」には含まれません。
※ちなみに、従業員の「タイムカード」や「給与明細」も、労働取引の証拠になるため「証憑(人事に関する証憑)」に該当します。

なぜ分けるの?「証憑」がビジネスで超重要視される理由

「どっちも会社の大事な書類なら、わざわざ区別しなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、バックオフィスにおいて「証憑」は、他の帳票とは比べ物にならないほど厳重に扱われます。その理由は主に2つあります。

理由①:税務調査での「最強の武器」になるから

会社が税金を計算するとき、売上から「経費」を差し引きます。税務調査が入った際、税務署から「この経費、本当に使いましたか?」と突っ込まれたときに、その取り引きが事実であることを証明できるのが証憑(領収書や請求書など)です。 もし証憑が残っていないと、経費として認めてもらえず、ペナルティ(追徴課税)として余計な税金を払う羽目になってしまいます。

理由②:社内の不正やミスを防ぐため

例えば、「請求書」はあるのに、商品が届いた証明である「納品書」がない場合、「本当にこの商品は届いたのか?架空の発注ではないか?」と疑うことができます。 このように、複数の証憑を突き合わせてチェックすることで、社内の発注ミスやお金の横領などの不正を未然に防ぐことができます。

【実務直結】帳票・証憑の「保存期間」と注意点

帳票や証憑は、用が済んだからといってすぐに捨ててはいけません。法律によって、保存すべき期間が厳格に定められています。法人の場合の基本ルールを抑えておきましょう。

原則は「7年間」の保存義務(税法)

法人の場合、帳票(帳簿や伝票)も証憑(領収書や請求書など)も、基本的には7年間保存する必要があります。
※保存期間のカウントは、「書類をもらった日」ではなく、「その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日」からスタートするので注意しましょう。

個人事業主の場合の保存期間

  • 個人事業主(青色申告): 原則7年(ただし、請求書や納品書など一部の書類は5年でOKなものもあります)
  • 個人事業主(白色申告): 帳簿は7年、その他は5年

例外的に「10年間」になるケース

例外として、以下のケースではさらに長い10年間の保存が必要になります。

  1. 会社法で定められている重要書類: 総勘定元帳や仕訳帳、株主総会議事録などは、会社法によって10年間の保存が義務付けられています。
  2. その期に赤字(欠損金)が出た場合: 税金上のルールで、赤字を次の年以降に繰り越して節税(繰越控除)したい場合は、その期の証憑などを10年間保存しなければなりません。

⚠️【超重要】電子帳簿保存法(電帳法)のルール
現在は「電子帳簿保存法」により、データ(PDFやメール添付)で受け取った領収書や請求書は、紙に印刷して保存することが原則禁止されています。 一定の検索ルールなどを満たした上で、データのまま保存しなければならないため、社内の運用ルールを確認しておきましょう。

※保存期間や電子保存の詳しい要件については、国税庁の公式ページをご確認ください。

 

違いを理解して、スマートなバックオフィス業務を

最後に、今回ご紹介した内容をおさらいしましょう。

  • 帳票は、ビジネスの動きを「記録・報告」する書類の総称(グループ名)
  • 証憑は、帳票の中でも特に「取引の証拠」となる重要書類(領収書や請求書など)
  • どちらも原則7年間〜10年間の法律上の保存義務がある

言葉の違いと、それぞれの書類が持つ重要性を理解しておけば、日々の書類整理や管理の意識がガラリと変わるはずです。

もし「紙の書類が多すぎて保管場所がない」「過去の証憑を探すのに毎回時間がかかる」という場合は、書類を電子化(ペーパーレス化)して効率よく管理できるシステムの導入を検討してみるのもおすすめです。

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