発注書と注文書の違いはない?どっちが正式名称?

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「発注書」と「注文書」のどちらもよく聞く名称ですが、

取引先とやり取りする書類になるので、「正式名称を知らないと書類の訂正が必要になるのでは?」などの疑問を抱える方も多いと思います。

この記事では発注書と注文書、2つの違いについて説明しながら、それぞれの書類の特性や扱う際の注意点も紹介しています。

発注書・注文書とは

発注書・注文書はそれぞれ同じ書類のことを意味します。

発注書は法的にも重要な書類の一つではありますが、呼び方が異なるからといって、基本的にはそれぞれの区別をする必要な場面もほとんどありません。

会社や人によって呼び方が変わる場合がありますが、微妙にニュアンスの違いがあるのでそちらについて紹介します。

発注書

一般的に取引の際には、見積・注文・請求の順番で書類を発行します。見積もり金額を確認した後に、取引を行うことが確定したタイミングで、商品やサービスの単価や納品方法を記載した発注書を発行します。

法的には、証憑書類に分類され、取引内容や税務会計の証明書類としての機能も果たします。

証憑書類とは

取引内容や取引自体の証明になる書類のことで、一定期間の保存の義務などがあります。

また、発注書には法人の場合は7年、個人の場合は5年の保管期間が定められています。

発注書に記載される項目

  • 発行日時
  • (自社と取引相手、両方の)会社情報
  • 発注内容(品目・数量・単価・金額)
  • 商品の内訳
  • 合計金額
  • 納品日時・納品場所
  • 支払条件

主に上記のような項目が基本情報となりますが、形式や作成方法などは原則自由で、ネット上のテンプレートなどをそのまま利用することも少なくありません。

同じ意味の言葉で「注文書」と言うことも多いですが、それぞれに明確な区別はなく、同じものを指していると考えていいでしょう。

呼称や使い分けは個人や会社によってそれぞれですが、制作業務やコンサルティングなど無形のサービスについてをとくに「発注書」という分類の仕方もあるようです。

セットで発注書を受領したことを示す「注文請書」が発行されることも多く、ビジネスシーンでは一般的な書類の一つですが、業態はもちろん、少額の取引や業務委託関係などでは登場する機会も少なくなります。

そのため、フリーランスの方などは独立して初めて知ったと言う方もめずらしくなく、請求書や契約書など馴染みある書類とほとんど同じ扱いができるため、ご存知でない場合も不安に思う必要はないでしょう。

注文書

上述の通り、注文書は発注書と同じ意味で用いられます。そのため、発注書と注文書で区別が必要になる場面はほとんどないでしょう。

なので例えば、取引先の方に「発注書の発行をお願いします。」などと言われた際に、「注文書のことですか?」と聞き返す必要もないでしょう。

飽くまでも同じものを指すので、特に意識してすることもありません。

先程述べたように、発注書が無形の商品を扱う際に用いるように、注文書の場合は、建築資材や機械部品など、形のあるものに関してを注文する際に用いる方法もあるようです。

また、消費者としてレストランやネットショッピングで「注文」という言葉を使用するのに対して、業者間でのやり取りでは、「発注」という言葉を使用するケースが多いです。

これらのことから、原材料や商用に加工する前段階の商品は発注書、手を加えた商品やパッケージとしてのサービスには注文書という言い方をするという分け方もあります。

発注書と注文書の違い

ここまでの内容から、発注書と注文書の違いについてをまとめると以下のようになります。

  • 発注書と注文書に明確な区別はない
  • 会計上や法的な扱いについても同様に区別はない
  • 無形商材は発注書、有形商材には注文書を使うことも
  • 業者間取引は発注書、一方向のサービスには注文書

上記のような点でわずかに差異はあるものの、特筆するような違いはないと言えるでしょう。
所属している会社やコミュニティで呼び方が統一されることが多いため、「発注書派」と「注文書派」に別れる傾向もあります。

日常の場面では相手方や取引先の呼び方に合わせて使用することがおすすめです。

発注書/注文書のテンプレート

発注書と注文書の間に大きな違いはなく、請求書などの書類と同様に決められたフォーマットなどもありません。

ただし、発行日時や金額など、取引の開始と内容を示す書類として一般的に必須とされるような項目もあるため、テンプレートなどを使用して作成することをおすすめします。

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ご自身で手書きやエクセルを用いて自作することももちろん可能ですが、今日では、クラウドシステムなど便利なサービスやツールが揃っているのでそれらを利用することがほとんどでしょう。

発注書/注文書の印紙

注文書に収入印紙は必要?金額と印紙が不要なパターンを解説
これまで、注文書には収入印紙を貼る場面も多くありましたが、近年では電子契約の普及により、収入印紙自体が使われる機会が減少しつつあります。 しかしながら、注文書に印紙が必要な場面もいくつかのケースで存在するため、注文書と収入印紙に関する...

結論から述べると、発注書に印紙が必要なケースは少ないです。その上印紙が必要な注文書は飽くまでも紙媒体の書類に限るため、発注書の印紙は不要と考えてもいいでしょう。

ただし、もちろん場面に応じて印紙が必要かどうかは異なるので、紙で発注書をやり取りする際には注意が必要です。

印紙とは

正式名称を収入印紙といい、納税の証明となる証票です。

証票とは

証明となる札や票のことで、収入印紙は購入時点で納税が完了するため、添付されているだけ納税の証明とすることができます。

通常の納税は、支払い後の納付書への押印などで納税の証明とするものが多いですが、印紙の場合は領収書そのもののような扱いになるため、書類の発行にかかる納税を証明してくれるものになります。

書類に記載される金額の大きさに対して税額が定められています。

収入印紙の金額一覧

収入印紙の金額は以下の通りです。

注文書にかかる印紙税の金額
契約金額の記載のある契約書のうち、契約金額が一万円未満のもの 不要
契約金額の記載のない契約書 一通につき200円
百万円以下のもの 200円
百万円を超え二百万円以下のもの 400円
二百万円を超え三百万円以下のもの 1,000円
三百万円を超え五百万円以下のもの 2,000円
五百万円を超え千万円以下のもの 10,000円
千万円を超え五千万円以下のもの 20,000円
五千万円を超え一億円以下のもの 60,000円
一億円を超え五億円以下のもの 100,000円
五億円を超え十億円以下のもの 200,000円
十億円を超え五十億円以下のもの 400,000円
十億円を超え五十億円以下のもの 600,000円

建設業・不動産業では、軽減税率が適用される場合もあります。

発注書/注文書に印紙が必要となる場合

基本的に発注書の発行自体には印紙税がかかることはなく、収入印紙を貼る必要もありません。

発注書が印紙税法が定める「契約金額の記載のある契約書」として扱われるかどうかは個別のケースによってもちろん異なるのですが、発注書よりも印紙が貼られることが多いのは注文請書になります。

取引する両者の押印や、一枚の書類に発注書の鏡(注文請書)がまとまっている時など、「双方合意の上で契約金額を定めていることが明らか」な場合に印紙を貼る義務が生じます。

発注書/注文書に印紙が不要な場合

印紙税法上では、契約書等の作成は紙での印刷を指し、電子契約書や電子注文書のファイルの作成にあたっては収入印紙は不要になっています。

よってPDFファイルなどの電子データとして発行した発注書には、収入印紙が不要で、かつ今日紙の発注書の登場機会は減少傾向にあるため、印紙の必要性を意識する場面はあまりないかもしれません。

発注書と注文請書

発注書(注文書)とセットでよく発行されるのが注文請書になります。発注書の鏡と言うこともあり、返送用に一枚になっているものもあります。

発注書同様、法人の場合は7年、個人の場合は5年の保管期間が定められています。

加えて先述の通り、紙の注文請書を発行する際には印紙が必要になることが多いです。

注文請書

注文書と同様に、注文の確定を証明する証憑書類の一つです。注文書を受けて発行され、注文を受領したことを示す書類になります。

業界業種によってはあまり馴染みのない書類になるかもしれませんが、企業によっては取引ごとの発行を必須としていることもあります。

双方の信頼関係がどれだけ堅固であっても誤発注やトラブルを防ぐ意図で必要になるケースがあるので、印紙の有無などをチェックするためにも知っておいて損はないでしょう。

そもそも、発注書(注文書)は取引時のトラブルを未然に防ぐ意図で発行されます。

例えば取引中、発注されたことが証明されない場合、注文を受けた側が制作や納品を行ったのにも関わらず、発注者側が注文したことを認めない場合、予定されていた金額を請求をすることが難しくなってしまいます。

注意

しかしながら一般的に、注文書が存在しない場合であっても、それまでのやり取りを残すメールのデータやLINEのスクリーンショット等があれば明確な証拠になる上、口頭であっても取引は成立するため、理不尽に注文が認められないケースは少ないと言えるでしょう。

注文請書の収入印紙

注文請書には、発注書を受けて取引する両者の押印をされたり、双方合意の上で契約金額を定めていることを示す書類とみなされることが一般的です。

そのため、注文請書には印紙税法に基づいて収入印紙を貼る必要があります。

注意

ただし、こちらも紙の注文請書の場合のみなので、電子データで注文請書を発行した際には収入印紙は不要となります。

発注書の保管方法

発注書には保管の方法にも法的な決まりがあります。近年は電子帳簿保存法の改正も重なり、ご存知でない方はこちらも併せて理解することをおすすめします。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法と印刷保管

電子帳簿保存法

正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といい、注文書を含む書類の保管方法について定めた法律です。

電子帳簿保存法をわかりやすく解説|対応しない明確なデメリット
会社経営や経理に携わる方であれば、「電子帳簿保存法」の対応が義務化するということに焦りを覚えている方も多いと思います。 簡潔にいうと、請求書などのほとんどすべての書類データは、2024年1月までに、法令によって定められた方法で保存する...

発注書の保管については電子帳簿保存法が定める保管方法に準ずる必要があります。紙媒体での保管については、近年の法改正により今まで通り印刷してファイリングしておくことが難しくなりました。

プリントアウトした書類

電子帳簿保存法では、電子データの書類をプリントアウトした場合、法律で決められた要件では原則、電子データで送受信された帳簿・書類を印刷して保管したとしても、法的には意味のない書類となってしまいます。

反対に、紙の帳簿や書類をスキャナー等を使用して、電子データとして保管することは可能です。

POINT

発行日時や改竄されていないことを担保し速やかな表示と出力を担保する必要があり、タイムスタンプや訂正・削除に対する対応なども義務付けられています。

発注書の正しい保管方法

今日手書きや郵送で発注書をやり取りする機会は稀になっています。そのため、電子データとしての発注書を扱うことがほとんどのため、電子帳簿保存法に則した保管が実質必須と言えるでしょう。

ご自身や会社のパソコン上に保存しておくだけでは不十分な場合も多く、多くの企業で電子帳簿保存法に対応したシステムが導入されています。

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まとめ

  • 発注書と注文書は同じ意味で使われる
  • それぞれの区別は好みでOK
  • 収入印紙が必要な場合もあるので注意
  • 電子帳簿保存法には早めの対応がおすすめ
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